リアルタイムスタティックについて |
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今回は、私がライカを導入することを決めた最大の要素である測位精度について行いました。ライカのカタログあるいは御購入検討資料には「リアルタイムスタティック測量」あるいは「リアルタイム測量(静止測位)」と記載されています。 カタログの記載を援用すると「リアルタイムスタティック測量 5mm+2ppmベースラインrms」基準点はリアルタイムで簡単に固定されます。最良の結果を得るには、ただ測定する地点に2,3分たつだけです。ザヒョウはリアルタイム測位すべての平均となります。 御購入検討資料の記載を援用するとリアルタイム精度:5mm+2ppm(静止測位)従来のGPS測量機では10〜20mm+2ppm たしかに他社の測位精度が10〜20mm+2ppmというときに5mm+2ppmは魅力です。特別な操作をするわけでなく通常10秒間(エポック)観測するところを2,3分間アンテナを静止させて観測すればよいとのことでした。 |
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固定局は事務所の内庭におき、移動局を左上写真のとおり事務所前の駐車場にアンテナ高2.43mで立てて200秒観測を11回してプロットしたのが右上です。ナントまあ飛び跳ねていることでしょう2センチ近く差がでる場合もあります。どれが的確値なのか判断にこまるのでメーカに問い合わせしたところ、この駐車場はGPS観測には理想的な環境ではなく、日にち・時間により、様々な(衛星の配置/マルチパス/電波障害等)影響を受けるためこのような結果になるが長時間観測することで5mm+2ppm(rms)は実現可能だけれど、常にこの精度を確保するには、障害物、電波障害等ない理想的な環境でないと不可能との回答がされてきました。 | |
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それでは理想的な環境ということで、50メートル四方に何もなく天空障害が皆無の宍道湖岸に固定局と移動局を左上写真のように立ててみました。宍道湖岸は左上写真のとおりとても景色がよく夕日は一見の価値があります皆さんにもぜひ一度いらっしゃって欲しいナア などと200秒観測を73回なんと4時間も独りぼっちで観測していました。 これをプロットしたのが右上です、X方向の標準偏差は4ミリ、最大観測幅22ミリ、Y方向の標準偏差は4ミリ、最大観測幅20ミリ、平均点からの距離の標準偏差は6ミリでした。下段のグラフは観測ごとに平均点からの距離をプロットしたものです 。 このリアルタイムスタティック測位精度の標準偏差1σは5mm+2ppmなので68%は5ミリ半径に入 っているはずですが実際の観測では34回すなわち47%しか達成していない上に5回も10ミリを越える場合がありました。ましてやこれって理想的な環境で11メートルの距離しか測っていないのですよ。 リアルタイムスタティック観測は、基準点とか境界点に使えますなどとカタログには記載されています。でも基準点とか境界点は理想的な環境でない所に有るのが実状です。それなのに理想的な環境でないと実現可能にならないことを、簡単に出来るかのように記載してあるなんて紛らわしいと感じました。この器械の実効的な精度は他社と同じ10mm+2ppmと考えた方が無難でしょう。 やはり「観測時間の長さと求まる平均値の変化」でテストしたとおり1秒観測を15分間した方が安心するという結論に達しました。 |